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元バックパッカーReikoがインド各地に点在するチベット人居住区を訪ねた旅行記です。


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ロブサン師
Geshe Lobsang Phegyal.(ゲシェ・ロブサン・ペグェル)。

バイラクッペを代表するゲルク派の大寺院セラジェ寺、そのセラジェ寺の僧院長であり
イタリアのNGO団体“Kid Aid” の現地代表役、
また日本の『四方僧伽』というアジアの仏教国の相互連帯を目指す団体のメンバーとしても
広くチベットのため、特に子供達のために尽力してこられた。
とても立派なお坊さんだ。

そのロブサン師が重度のC型肝炎に罹り、危険な状態、と
人づてに話を聞いたのが約1年前のことだったろうか。
その時私もほんの少しばかり寄付をさせていただいたのがご縁で、
今回のバイラクッペ訪問時に、直接お会いしてお見舞いをさせていただけることになった。
最初にお会いした時の印象は、とても威厳のある風貌で
ちょっと近寄りがたい感じもしたけれど、
実際お話してみると、とても気さくな優しい方だった。
ロブサン師のご病気は一時とても悪化してしまい、
体重も激減して、立って歩くのもやっとなほど衰弱してしまったそうだ。
でも多くの支援者から寄せられた寄付金で始めた投薬治療が功を奏したのか、
ここ半年ほどの間に見る見る回復され、ご本人もとても驚いているという。
今では一見ご病気だとは分からないくらいお元気そうに見える。
まさに奇跡としかいえない、という感じだ!
私もわずかでもお役に立てたかと思うと、とても嬉しかった。

でもまだ予断は許されない。
肝臓の状態をチェックしながら、あと半年間は薬を飲み続けなければならないそうだ。
それだけ効果があるのなら、きっとかなり強い薬に違いない。
それを半年〜1年と飲み続けるとしたら、体の他の部分に影響を与え副作用が出てしまう可能性もある。
その事をロブサン師にお話し、
私が日本から持参したひまし油を使った「ひまし油湿布」と「びわエキス」の治療をお勧めしてみた。
「ひまし油湿布」は、かの有名なエドガーケイシーの考案した治療法で
毒素排出、浄化作用に優れた効果があるといわれる。
また「びわの葉エキス」も日本では昔から行われてきた自然療法の一つだ。
ガンにも効く、といわれている。
ロブサン師は私の申し出をすんなり受け入れてくださり、
私の滞在中は毎日1〜2時間この「ひまし油湿布」の治療をさせていただくことになった。
治療といってもやり方はいたって簡単。
ひまし油をたっぷり浸した湿布を腰の部分にあて、
その上から温熱パックをして患部をじっと暖めていく、というものだ。
黙ってじっと横になったロブサン師は、気持ち良さそうに深い呼吸をされ
そのうちどうも静かだな、と思ったら・・・スヤスヤと寝てしまっていた。
やはりお元気そうに見えても、疲れやすいのだろうか・・・?
時々そっと温熱パックを取替え、患部にじっと手を当てる。
静かな、平和な時が流れ、私まで癒されていくような感じ。
何日かこの治療をくり返すうちに、目に見える大きな変化こそないが
「体がとても調子よくなり、力が満ちてくるような気がする。」
と言ってくださった。
私はもう、治療そのものよりロブサン師のお人柄の良さに感激して、
こちらの方がとてもありがたい気持ちになっていくのだった。

そうして何日かたつとロブサン師と私はすっかり打ち解け、
治療の後ご一緒に近くのクシャルナガルの町まで散歩に出かけたり
ロブサン師のお宅にお邪魔してお話をしたりして過ごした。
毎日夕食までご馳走になってしまった。
これがまたとっても美味なのだ!
基本的に野菜中心のおかずにご飯、という素朴な献立だったが、
ロブサン師のお住まいになっている共同宿舎に専属のコック(この方もお坊さん)
がいて、毎日調理してくれるそうだ。
油も味付けも控えめな、体に優しい食事だった。
これならロブサン師のお体にも大丈夫!

ロブサン師のご自宅の祭壇。中央の男性がテンジン・タシ・リンポチェ
ロブサン師のご自宅の祭壇。中央の男性がテンジン・タシ・リンポチェ

部屋の壁に掲げられた写真に、
ロブサン師と一緒にとても偉そうなお坊さんが写っている。
この方は誰かと尋ねると、
ロブサン師のおじさんに当たるテンジン・タシ・リンポチェという高僧だそうだ。
このリンポチェが亡くなった後の、生まれ変わりとされるテンジン・タシ・リンポチェにもお会いした。
現在お年は15歳、まだあどけなさの残る可愛らしい少年僧だった。

チベットでは「輪廻転生の法則」――全ての生物はその体は滅びても、
その魂は存在し続け、また違う肉体を受けて何度も生を繰り返す、という考え――により
偉いお坊さんが亡くなると、その方の生まれ変わりを探し出して同じ名前を授け
その高僧の後継者として大切に育てる、という慣習があり(宗派によって多少違うが)
ロブサン師はそのタシ・リンポチェの養育係という役目もされているそうだ。

ぽつりぽつりと言葉少なに、
でもとても熱意のこもった言葉でご自分やチベットのことを語るロブサン師。
そのお話しぶりから、とても誠実なお人柄が感じられた。

一日も早くご病気を完全に克服され
チベットのためにまた様々な活躍をされる日が来ることを願ってやまない。

 
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Reiko
インド、ネパール他、アジア各地の放浪歴(?)あり。
インド旅行中に知り合ったチベット人家族の優しさや生き方に心打たれ、以来長年にわたって家族ぐるみの交流をしている。
夢は彼らと一緒にチベットを訪れること。


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