「敵は最も大切にしなければいけない宝のような存在です。
なぜならそれによって、私たちは寛容の精神というものを育めるのですから」
その言葉は衝撃でした。
チベットを通ってネパールへと旅しながら読んだ、ダライラマの本の言葉。
2005年の秋、当時大学生2年生だった私は大学を休学して半年間のアジアの旅に出ていました。
若い頃によくある自分探しの旅、だったかもしれません。
明確な目標もなく、ただ「世界を知りたい」という漠然とした好奇心で日本を飛び出しました。
インドへと飛行機を使わずに行こうと決めて取ったルートは、
中国からチベットを通り、ネパールへ抜ける道。
チベットへいざ足を踏み入れて私が目にしたものは、
これ以上に形容のしようがないくらいに蒼い空や、
地球上で最も標高が高い天上の国を思わせる自然、
カラフルで荘厳な仏教芸術。
そしてそこで生きる、笑顔の温かな仏教徒たちでした。
旅を終える頃には、事前知識のあったネパール、インドよりも、
全く興味のなかったチベットが、
私にとって最も大切な場所となっていました。
チベットが中国から侵略されて、現在で約50年の月日が経ちます。
多くのチベット人が拷問や虐殺を受けて亡くなりました。
現在も様々な方法で巧みに民族性が破壊され続け、チベットは苦難の最中にあります。
その中でチベット仏教の最高指導者、ダライ.ラマ14世は
「中国人を憎んではならない」と、非暴力の精神を説き続けています。
「中国人も、チベット人も、みんな等しく人間なのだから。」
その考え方は、争いが絶えないこの世界に向けて
最も大切なメッセージを発しているのではないでしょうか?
天空に最も近い国、チベット。
果てしなく蒼い空と、
厳しくも美しい自然と、
荘厳な仏教文化、芸術。
そして、非暴力の心で生きる人々。
私たちがもっと学びたいと思うもの、心惹かれるものが、この土地に
きっと目いっぱい詰まっていると思うのです。
このHPに訪れてくれた皆様が、
少しでもそうしたチベットの魅力を感じていただければ幸いです。